Courseraで受講していた"The Truth About Cats and Dogs"(猫と犬の真実)、無事コースを修了しました(コースについてはこちら)。

 5週間という受講期限があり(修了証の発行を希望しないのであれば、期限オーバーしてもOKみたいです)、駆け足の受講となってしまったので、映像教材や提供資料などをもう一度最初から見直したいと思います。

 

 このコースを受講してみて、犬や猫を含め、ペットを飼うことの意味を強く感じるとともに、彼らにとってのWelfare(幸福)は何かということをあらためて考えさせられました。ペットに対する考え方は、国や文化、個人によって異なったとしても、飼い主の共通認識として、ペットは動物であり(狆さな人間瓩任呂覆ぁ法◆崙以には動物としての幸福がある」ことを忘れちゃいけないんですよね。

 

 イギリスでは、ペットオーナーに対し、ペットの"Five Welfare Needs"(ペットの幸福のための5つのニーズ)を満たすことが法律で義務付けられています。

 

  1. Need for a suitable environment(適切な環境で飼育し、運動・休息を与えること)
  2. Need for a suitable diet(適切な食事や水を与えること)
  3. Need to be able to exhibit normal behaviour patterns(動物として正常な行動を表現する自由を与えること)
  4. Need to be housed with, or apart from, other animals(その種に応じて、複数飼育/単独飼育を選択すること)
  5. Need to be protected from pain, suffering, injury and disease(痛みや怪我、病気からの自由を保証すること)

 

 この5つのニーズのうち、3と4はなかなか難しい……動物として正常な行動(吠える、走り回るなど)が、人間社会においては問題となることもあります。また、動物(犬種)によっては、単独飼育が望ましい種と、仲間の動物がいたほうがよい種がいますが、飼育事情により、そのニーズを満たせない場合もあるでしょう。

 

 飼い主として、人間側の都合や思いこみではなく、「動物にとっての幸福」を意識する。基本中の基本ですが、それが一番大事なことなのかなと思いました。

 

走る犬

 

*****

 思い立って、Courseraの"The Truth about Cats and Dogs"の修了証を申請しました。何かに使えるとは思えませんが、受講の記念にと。

Coursera修了証

(送ってもらえるのはデータだけなので、紙の形にしたければ自分で印刷しないといけません……)

ハロウィン 

(犬のハロウィーン。終わっちゃいましたが……)

 

 しばらく前から読みはじめた、動物行動学者でドッグトレーナーである著者の自伝(The Education of Will: A Mutual Memoir of A Woman and Her Dog by Patricia B. McConnell)、やっと8割程度まで読めました。内容が想像以上に重く、少し読みあぐねています。

 

 この自伝の半分は、自分の愛犬Willと、トレーナーとしてかかわっている犬たちの攻撃的行動(aggressive behavior problem)の改善という、ドッグ・トレーニングについて書かれています。Willを含め、登場する犬たちの問題はかなり深刻です。

 Patriciaさんは、飼い主として、プロのトレーナーとして犬たちに向きあうのですが、トレーニングがうまくいくこともあれば、一進一退、なかなか状況が改善しないこともあります。

 

 実際のトレーニングの様子も書かれていて、とても興味深いのですが、そのぶん読んでいてつらいところも。犬たちは何も好きで攻撃的になっているわけじゃない。恐怖やトラウマ(トラウマの原因が不明の場合もあるし、飼い主が思いこんでいる場合もある)が要因の反射的、自己防衛的な行動なので……。

 恐怖にうまく対処できない犬たちは、やむにやまれず、「こっちに来ないで!」という威嚇行動、つまり吠えたり、歯をむいたり(最終段階は「咬む(bite)」)という行動に出る。それを考えると、つらくなってきます。人間だって、そんなふうにしか生きられなかったとしたら、まちがいなくつらいはずです。

 

 Willくんは、内科的な問題も抱えていたうえ(食事とかもかなり気をつかう)、大きな怪我をして長期のリハビリが必要になるなど、「つらい」の一言では片づけられない、満身創痍の状態。愛犬家の読者としては、読んでいてつい力が入ってしまいます(そしてどんどん、読むスピードが遅くなる……)。

 

 本書のもう半分は、著者自身が抱える心的外傷後ストレス障害(PTSD)と、その原因となった過去の複数の体験について語られています。こうした自分の体験を、本という形でオープンにするというのは、勇気を総動員しなければできなかったはず。

 Patriciaさんは、自分自身が心に傷を負い、日常生活に支障が出るほどの症状(不安障害)と長年つきあってきたからこそ、恐怖に極端な形でしか対峙できない犬たちの気持ちが理解できるのでしょう。

 

 読みあぐねているのは、Patriciaさんの物語があまりに深刻で、あまりに個人的だから。1章1章、山を越えるように読んでいます。気楽に読める本でないことはたしかです。終盤になって、やっと光が見えてきたようなところもあります。

「新しいライフ・ストーリーを描くためには、今自分が生きているストーリーを知らなければならない」とPatriciaさんは言います。たとえそれがつらく、痛みを伴うものであっても、いままで目を背けてきた過去と向きあうことが、問題解決への一歩なんだと。この本に書かれていることをうまく消化できるかわかりませんが、時間がかかっても、最後まで読みきりたいと思います。

 

 犬の「恐怖を表現する行動」をまとめたポスターを見つけました。

Body Language of Fear in Dogs

 

 最近、Courseraのコースなどで、あらためて犬のことを勉強しているのですが、愛犬家と言いながら、犬たちのことをちゃんと理解できていないかもしれないな、と痛感しています。こんな飼い主を愛して(たぶん)くれる犬たちには、感謝しないと……。

雨降り

(ずーっと雨です。散歩に行けなくて、人間も犬もうんざりです……)

 

 Courseraでペット関連のコース(The Truth About Cats and DogsAnimal Welfare)を受講しています。第3週のカリキュラムまで進みましたが、どちらのコースも内容が充実していて、とても興味深いです。映像教材に登場する農場の風景や動物にも癒されています。

 動物に関する学問といえば、これまで獣医学や畜産学、生物学といった理系の分野(Animal Science)を連想していたのですが、社会学、哲学、文化、芸術の観点から動物を研究する分野(Animal Studies)もあるんですね。動物福祉学(Animal Welfare)や動物とヒトとの関係学(Anthrozoology)といった言葉は、コースを受講していて知りました。

 動物と文学やアート、映画の関係をテーマとする分野もあるんだとか。そういえば、古典の名作のなかにも、犬や動物は頻繁に登場しています。それで検索していると、「文学のなかの動物」を時系列にまとめたインフォグラフィックを見つけました。

 

画像をクリック(参照元:www.helpucover.co.uk/)

 

 やっぱり、動物文学の古典として一番に頭に思い浮かぶのは、メルヴィルの『白鯨』でしょうか。犬の小説といえば、ジャック・ロンドンですね。「ピーターラビット」のシリーズは、よくよく考えると、子供のころに初めて読んだ「海外の動物小説」かもしれません。そうか、「プーさん」も「動物小説」なのか? などと考えていると、大学院でアメリカ文学を研究していたとき、このテーマに出会っていればよかったと思ったりしました(ちなみに、修士論文のテーマは、ホーソーンの『紐文字』でした)。

 

 こんなのも見つけました。

 ◆The 10 Most Beloved Dogs in Literature

 

 このなかでは、「クリフォード」が好きです!

 

ビーグル

(ビーグル。元気ハツラツなイメージ。)

 

 著名な動物行動学者で、訓練士でもある著者の自伝を読みはじめました。

 

 

The Education of Will: A Mutual Memoir of A Woman and Her Dog

by Patricia B. McConnell

 

 こちらの本、Barkというアメリカの犬雑誌のサイトで出会いました。書評のコーナーがあるのですが、そこで"artfully written"な本だと紹介されていて、読んでみたくなりました。(ちなみに、Barkをアメリカから取り寄せ購読することにしました! まだ届いてませんが、どんな雑誌なのかわくわくしています。)

 

 著者は動物学の博士号を持ち(博士論文のテーマは「牧羊犬とハンドラーのコミュニケーション」だったとか)、大学で教鞭をとる傍ら、攻撃的な態度や過剰な恐怖反応といった犬の問題行動を専門に扱う訓練士としても活動しています。Patriciaさんはこれまでに、犬の行動やしつけに関する多数の著作を発表していますが、本作は自分の過去と、問題を抱えた愛犬に向き合った日々を綴った自伝的ノンフィクションです。

 タイトルのWillは、Patriciaさんの愛犬、オスのボーダー・コリーです。Willは過剰なまでにほかの犬や物音におびえ、恐怖というスイッチが入ると、それこそ「犬」が変わったように攻撃的な態度をとってしまう、難しい問題を抱えた犬でした。それは子犬のときから、というか生まれ持った性質だったようです。人間が大好きで、ふだんは本当に愛すべき犬であるWillの問題をなんとか改善しようと、Patriciaさんは奮闘します。

 一方で、Patriciaさん自身の過去のトラウマも明かされます。彼女自身、コントロールできないほどの強迫性観念(突然、見知らぬ誰かに襲われる、といった)に日常的に襲われていました。まだ途中までしか読んでいないのですが、どうやら子供の頃のつらい体験が関係しているようです。タイトルに"facing my fears"とありますが、Willを訓練することで、自分のなかの恐怖にも対峙していくという部分は、胸に迫るものがあります。

 

 Willのような、いわゆる問題行動を示す犬は、問題の程度こそあれ、決して少なくないと思います。そもそも「問題」という定義は人間側からの見方なので、問題行動のなかには犬(動物)としての自然な行動も含まれるわけです。

 いま受講しているCourseraのコース(The Truth About Cats and Dogs)に、受講生からの質問に講師が答えるというコーナーがあり、そこで先生が印象的なコメントをされていました。

 

「犬の(人間から見て)望ましくない行動(undesirable vehaviors)は、その犬にとって『大切なもの(important resource)』を失うことへの恐怖が原因になっていることが多い」

 

 犬にとっての「大切なもの」は、食べ物、お気に入りのおもちゃやお気に入りの場所といった物理的なものもあれば、安全や(飼い主の)愛情といった目に見えないものの場合もあります。どちらにせよ、それがなくなることへの恐怖が引き金となって犬が過剰反応を示したときは、一方的に叱るのではなく、「大丈夫だよ」と犬を落ち着かせることが第一に取るべき行動。

 とはいっても、簡単にできることではありません……。うちの子も、玄関チャイムが鳴ったりしたら、無駄吠えすることが多いのですが、犬からしたら、無駄じゃなくて理由があって吠えているんですよね。ついつい静かにさせようと大きな声で叱ってしまいますが、逆効果なんでしょうね、きっと……。頭ごなしに叱るのではなく、なだめる、落ち着かせる、を心がけようと思います。

 Courseraの先生も、「ふだん、愛犬をどのくらい褒めてますか? しつけには、叱るよりも褒めるほうが大事です」とおっしゃってました。

 

 PatriciaさんがWillとどう向き合い、お互いに抱えている問題を解決していくのか。それを知るために、読み進めていきたいと思います。

勉強する犬

 

 犬や動物をテーマとした洋書をたくさん読むようになって、普通の小説では見慣れない単語に出くわしたり、動物に対する概念の文化的違いに触れることも多くなりました。

 犬やコンパニオン・アニマルについての知識を深めつつ、関連する用語(英語)を学ぶことは、原書を読むだけでなく、出版翻訳の仕事をするうえでもプラスになりそうです(犬や動物がテーマの作品を翻訳したいという目標があるので、なおさら)。 

 それで、犬のことを英語で勉強できないかなと、以前から利用していた海外のオンラインコース(Courseraやedxなどの、無料で聴講できる海外のオンラインコース・プラットフォーム)を検索してみると、ありました! さっそくコース登録して、受講を始めました。

 

 いま受講しているのはこちらのコース。

 

◆The Truth About Cats and Dogs (Coursera)

 タイトルの通り、犬と猫について体系的に学べるコース。犬や猫の行動や認知能力を理解し、人間との関係やコミュニケーションをよりよいものにするにはどうすればよいかを考えていくことがテーマ。コンパニオン・アニマルに対して、人間が一方的に期待していることや、ペット観や動物観の文化的・地域的違いなど、興味深い内容がつまっています。

 イギリス・エジンバラ大学で「動物福祉」を専門とする教授陣が中心となり、5週間で修了するようカリキュラムが組まれています。学び方は、映像教材で知識を学び、ミニテストや課題で理解度を確認するという形式です。先生方だけでなく、そのペットも映像のなかにたびたび登場するので、観ていてとても楽しいです!

 ミニテストや課題の提出も含め、すべて無料で学べるところも素晴らしい(修了証の発行は有料)。犬や猫が好きで、英語のリスニング力を鍛えたいという人にはぴったりのコースじゃないかなと思います(わたしはイギリス英語が苦手なのですが、先生の英語は比較的聞き取りやすいです)。

 ◎コースはこちら→The Truth about Cats and Dogs

 

 Courseraであわせて聴講しているのが、こちらのコース。

 

◆Animal Behaviour and Welfare (Coursera)

 犬や猫にかぎらず、動物全般の福祉(Animal Welfare)にフォーカスしたコースです。コンパニオン・アニマル(ウサギやその他のペットも含む)、家畜、動物園で飼育されている動物と、さまざまな立場の生き物の福祉やよりよい狎賢瓩砲弔い童‘い靴泙后F以福祉とは何か、動物福祉について考えることが人間にとってなぜ重要なのか、世界の現状はどうなっているのか、といった、よりシリアスな問題を取り扱ったカリキュラムです。

 上記のコース同様、エジンバラ大学が作成・運営しています。こちらは7週間のコースで、同じく(基本的に)無料。内容は少し難しいかもしれませんが、頑張って聴講していきたいと思います。

 ◎コースはこちら→Animal Behaviour and Welfare

 

 もうひとつ、Courseraで受講できる犬関連のコースを発見。

 

◆Dog Emotion and Cognition (Coursera)

 こちらのコースは、認知科学、認知心理学的アプローチで、犬の行動や感情を読み解こうというもの。犬の能力を理解し、犬との生活や関係を、人間・犬(ペット)双方にとって望ましいものへと改善するヒントが学べます(といっても単にしつけの方法を学ぶのではなく、より学術的な内容になっています)。

 コースを担当するのは、アメリカ・デューク大学のBrian Hare先生(進化人類学が専門)。犬に関する著作もお持ちで(『あなたの犬は天才だ』早川書房)、"Dognition"(DogとCognition、つまり「犬と認知」をかけ合わせた造語)というサイトも運営されています。サイトでは「あなたの犬の賢さを測定」できるとか!

 ◎コースはこちら→Dog Emotion and Cognition

 

 Couseraばっかりですが、オンラインコースを提供しているプラットフォームはほかにもあるので(Future Learnなど)、探せば犬がらみのオンラインコースが見つかるかもしれません。日本でもこういったオンラインコースはあるんでしょうか? 

犬たち

(犬って、大きくても小さくても犬なんですよね……当たり前ですが。)

 

K9ユニット(警察犬チーム)もののミステリーを読了。

 

 

◆Killing Trail: A Timber Creek K9 Mystery by Margaret Mizushima

著者マーガレット・ミズシマさんのウェブサイト→Margaret Mizushima Official Site

 

 K9ユニットが活躍する海外ミステリーといえば、翻訳書ではロバート・クレイスの爛好灰奪函マギー瓮轡蝓璽困頭に思い浮かぶのですが、こちらのシリーズもとてもおもしろく、愛読シリーズに仲間入りしました!

 

 コロラド州ティンバー・クリーク郡のK9ユニットとして活動する、保安官補でハンドラーのマッティと、警察犬(ジャーマン・シェパード)のロボのK9ユニットが活躍するミステリーです。山中で少女の遺体が見つかり、殺人事件として捜査が開始されるのですが、事件には、郡内に密かにはびこる麻薬取引が絡んでいるらしい……という展開。

 

 主人公マッティは、ハンドラーとしても、保安官としてもまだまだこれから、というキャラクター。競争を勝ち抜いてハンドラーに選抜されたこともあり(直属の上司がライバルだった)、いきおい肩に力が入っていますが、自分の弱いところは素直に認め、失敗を活かしつつ、まっすぐに任務に取り組もうとします。その姿に、すっと感情移入できました。マッティが相棒のロボと一緒に成長していく過程も、このシリーズを読む楽しみになりそうです。

 

 このシリーズでは、爛好灰奪函マギー瓮轡蝓璽困離泪ーのような犬視点の章や描写はなく、あくまでマッティから見たロボ、というスタンスで描かれています。「マッティがロボをどこまで信頼できるか」が鍵になるのですが、ロボはそのマッティの信頼に応え、クライマックスでも大活躍!

 

 マッティを取り巻く人たちも、いい味を出しています。ハンドラー選抜試験でライバルだった上司ブロディは、(マッティに負けたことが悔しくて)上司という地位を振りかざしてくるいやな奴という印象だったのですが、実は仕事熱心で、何気にかわいい一面もあったりして、後半は見直しました。

 事件にかかわる犬を治療し、ロボの担当医にもなる獣医のコールは、マッティの次に、内面や人間性が濃く描かれた登場人物です。ふたりの娘(ひとりはまだ幼い)を抱えて奮闘するシングルファーザーでもあり、マッティは彼のことが気になる様子。今後の作品で、マッティとコールの関係が深まっていく可能性がありそうです。

 

 コールが診察にあたるシーンの描写が妙に細かいと思ったら、著者マーガレットさんの配偶者は獣医なんだそう(お名前からして、日系の方でしょうか)。マーガレットさんも、夫のクリニックを手伝っているということなので、どうりで詳しいはずです。

 

 激しいアクションシーンや、度肝を抜くようなどんでん返しはないのですが、そのぶん落ち着いて読める作品だと思います。マッティを取り巻く人間が、基本的には「善良な人」ばかりなので、ドロドロした陰湿なミステリー(笑)に少々嫌気がさしていた私には、ぴったりな一冊でした。

 続編が2冊刊行されているので、続いてそちらを読むつもりです。翻訳書が出版されるといいのですが、原書はシリーズ三作目まで刊行されているのに出ていないということは……あまり期待できないかもしれません。自分が訳したい! とここは言ってしまおう!

 

 ずいぶん昔、コロラド州近隣に数年間住んでいたので、この作品に漂うロッキー山脈地帯の地方色が、読んでいて妙に心地よかったです。わたしが住んでいたのも山の近くで、自然に囲まれた町だったので(人間よりも羊の数が多い、なんてジョークも飛ばしていたほど)、なんだか懐かしい気分になりました。

 

 ロボやマギーのように、K9(警察犬)に選ばれる犬種は、アメリカではジャーマン・シェパードなど大型犬が主流です。シェパード以外だと、ビーグル、バセット・ハウンド、ブラッド・ハウンドといった犬種も活躍しています。小型犬種が警察犬になることは稀ですが、最近では日本でも、プードルやミニチュア・シュナウザー、パピヨンなどが警察犬に倏ぬ伸瓩気譟∀誕蠅砲覆蠅泙靴拭

 アメリカのオハイオ州でも、2006年、ミッジという、とても小さな犬(チワワとラット・テリアのミックスで、わずか3kgという小ささ!)が警察犬となり、その年のギネスブックに「世界最小の警察犬」として掲載されています。

 これがそのミッジちゃん。

 

サービス犬

 

「聴導犬」(Hearing Dog)が出てくるミステリー(原書)を読みました。

 

 

Not A Sound by Heather Gudenkauf

 

 主人公のアメリアはある事故が原因で聴覚を失い、生活が一変。アルコールに溺れ、家族(夫と夫の連れ子である娘)との関係もうまくいかなくなり、小さなコテージで一人暮らしています。そんなアメリアの支えとなっているのが、聴導犬のステッチ(Stitch)です(爛好謄奪銑瓩浪我の傷跡からついた名前)。

 アメリアは殺人事件の第一発見者となるのですが、事件の裏にある秘密を知り、独自に調査を開始します。それに気づいた犯人から、姑息な手段で追いつめられていく……という、ちょっとイヤミス的な展開もあります。アメリアが元看護師、夫も医師、再就職した職場も病院、事件の謎も医療にからんでいて、「医療」や「医師の倫理」がテーマにもなっています。

 

 聴導犬のステッチ、きりっとした「お仕事犬」を想像していたんですが、読んでみると、ちょっと違いました。アメリアの命令を聞かなかったり、落ち着きがなかったりと、半人(犬)前?なところも。でも、アメリアのために最後は大活躍します!

 

 すでに何作かサスペンス系の作品を発表している作家だけあって、ストーリーの展開がスムーズで、なかなか読みやすい作品でした。ややパンチというか、強烈なインパクトに欠ける印象もありますが、主人公が「音のない世界」に住んでいることも、静寂な雰囲気に影響しているのかもしれません。

 本作はGoodreadsやAmazon.comではそれなりにレビューがつき、評価も割と高めのようです。

 

 ステッチのような聴導犬、そして盲導犬(Guide Dog)といった「補助犬(Service Dogs)」が出てくるミステリーは、初めて読みました。

 "Not A Sound"の舞台はアメリカのアイオワ州。アメリカでは、たくさんの補助犬が活躍しています。

 American Kennel Clubサイトで補助犬のことを調べてみると、興味深い記事を見つけました。

 

”Service Dogs Have Emotional and Psychological Benefits, Researchers Say”

 

補助犬は、身体機能面(視覚や聴覚)で使用者を助けるだけでなく、使用者の精神面にも良い効果を与える」ことが、アメリカのパデュー大学が行った調査により明らかになったという記事です。

 調査は4年間かけて実施されたもので、1500人以上の補助犬使用者・順番待ちの希望者に対するインタビューも含まれています。

 調査の結果、補助犬使用者は、順番待ちの希望者に比べて、より精神的に安定しており、社会適応性が高く、職場や学校でもうまくやっているということが判明したのだとか(使用者本人だけでなく、その家族にも良い影響が見られるそうです)。

 こうした補助犬の精神面での効果は大きく、アメリカでは実際に、退役軍人の方など、トラウマ症状に苦しむ人のための補助犬(精神科補助犬・Psychiatric Service Dog)も活動しています。

 

 補助犬についてまとめたページもありました。

 

”Service, Therapy, and Working Dogs”

 

 補助犬だけではなく、「使役犬(Working Dog)」の情報も。「トコジラミ探知犬(Bed bug-detector dog)」なんていう使役犬もいるとは知りませんでした!

 子供のころから、大きな犬を飼うのが夢でした。10代の頃に、ゴールデン・レトリバーを家族に迎えて、夢は叶ったのですが(うちの子はちょっと小ぶりでしたが)、とことん大きな犬を飼いたいという気持ちは今もあります。

 大型犬のなかでも、わたしの憧れは、アイリッシュ・ウルフハウンド(全犬種の中で、体高が最大の犬)、そしてなんといっても、ニューファンドランドです。あの"droopy"(垂れ下がった)目と、堂々たる体躯に、なんとも言えないやさしい雰囲気……最高です。

 

 そのニューファンドランドが登場するノンフィクションを読みました。飼い主に捨てられたニューファンドランドを、シェルターから引き取った男性の自伝です。

 

 

Free Days with George by Colin Campell

 

 

表紙のニューファンドランド・ランドシーア(白黒のニューファンドランド)が、著者コリンさんの愛犬ジョージ君。いろいろあって、人生のどん底にいたコリンさん。広い家にひとり暮らしだったコリンさんを心配した友人が、犬を飼うことをすすめます。シェルターから引き取ってはというアドバイスにしたがって、見つけたのがこのジョージ君でした。

 ジョージ君も、飼い主に飼育放棄され(番犬にと飼ったけれど、番犬にならなかった、という理由で……ニューファンドランドは性格的に、そもそも番犬向きではありません)、心に傷を負っていました。こうして、ひとりと一匹は一緒に暮らすことになったのです。ともに立ち直るために。

 

 コリンさんはカナダからアメリカに転勤となり、引っ越したのは目の前が海岸!というロケーション。そこでジョージ君の血が騒ぎます。ニューファンドランドは、カナダのニューファンドランド島原産の犬種で、水の大好きな犬(足にはなんと、水かきがある!)。泳ぎが得意で、海難救助犬としても活躍しています。海に本能をかき立てられたジョージ君は、コリンさんとサーフィンを始め(教えてもいないのに、ボードの上に乗ってきたとか)、たちまちビーチの人気者に。

 

 と、ジョージ君のサーフィンの話が出てきますが、それがメインではなく、ジョージ君がいかに傷ついた犬だったか、ふたりがどうやって信頼を築いていったかということが、大げさではない、誠実な言葉で綴られています。

 

 タイトルの"Free Day"というのは、コリンさんのおじいちゃんの言葉で、「一日中、大好きな人と一緒に、何でも好きなことをする日」で、その日は「決して年を取らない」と。素敵な言葉だなと思いました。

 

 コリンさんの気取らない語り口がとても読みやすく、ノンフィクションですが小説のように楽しく読めました。犬好き、とくに大きな犬が好きという人や、保護犬に興味がある人に、ぜひ読んでいただきたい作品です。

 

ニューファンドランド

(ニューファンドランド。もふもふです。)

 海外の犬情報を集めるのに、信頼できるサイトとしてよくチェックしているのが、American Kennel Clubのサイト。とてもおしゃれで、情報の見やすいサイトです。興味深い記事がたくさん掲載されていて、会報誌のデジタル版も閲覧できるので、見始めるとついつい長居してしまいます。

 

 そのAKCのサイトで、おもしろいクイズを見つけました。「わんことおうちのマッチングをしよう」というもの。家の写真が出てくるので、その家で暮らすのにぴったりなわんこを4択で選んでいきます。日本ではあまりなじみのない犬種も登場するので、答え合わせが楽しいです!

 

 クイズはこちら→Quiz: Can You Match the Dog to His Home?

 トライしたら、8割がた正解でした。

 

 イギリスのとある宮殿に住む犬と言えば……?

 

コーギー

天使

 

 書評サイトGoodreadsの"Dog"カテゴリーで、つねに"Most Read This Week"に表示されている作品があり、ずっと気になっていたのですが、お盆に読了しました。

 

Faithful  by Alice Hoffman

 

  ロングアイランドに住む女子高生のシェルビーは、ある冬の日、車の事故を起こし、一命はとりとめたものの、助手席に乗っていたヘレネは昏睡状態となってしまいます。シェルビーは罪悪感にさいなまれ、心に深い傷を負うのですが、そんなシェルビーが前を向いて生きていけるようになるまでを描いた物語です。

 

 事故のとき、シェルビーは「天使」の姿を見ます。自分は、天使に助けられた。でもどうして、ヘレンを助けてくれなかったのか。そんなシェルビーの心の叫びに答えるように、シェルビーのもとに、天使からメッセージが届くようになります。差出人不明の絵葉書が、一枚、また一枚と舞い込むのです。書かれているのは、いつも一言だけ。「気持ちを声に出すんだ(Say something)」というような。

 シェルビーは、思い切って家を出て、大都会のペットショップで働き始めます。シェルビーに人間らしい、温かい感情をよみがえらせたのは、犬であり、人でした。そして、絵葉書のメッセージに導かれるように、前へと進んでいきます。

 

 シェルビーが犬や猫を助ける場面が何度か出てきます。助け方はちょっと(というかかなり)強引。助けた犬の世話をし、命に責任を持つということが、シェルビーを立ち直らせるきっかけになったのでしょう。

 

 「奇跡」「天使」といったスピリチュアルな要素もありますが、あくまで、シェルビーというひとりの少女の再生と成長がテーマです。ヤング・アダルトのカテゴリーに入れてもよさそう。文体も平易で読みやすく、ストーリーはこびも安定しているので、少し長めの洋書にチャレンジしたい、一冊読み切ってみたい、という人におすすめしたい作品です。


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