木が主人公の、心温まるお話を読み終えました。

 

Wishtree by Katharine Applegate◆

 

 Amazon.comなどでは児童書のカテゴリーに入っていますが、大人が読んでも楽しめる作品だと思います。

 

 *この作品の紹介動画を発見しました*

 

 

 木(レッドという名前の、オークの古木)が語り手で主人公の物語です。親友であるカラスのボンゴや、レッドを住処にしているオポッサム、スカンク、フクロウ、アライグマといった動物たちが登場するので、動物好きにはたまらない一冊です。

 Wishtree(願い事を叶える木:お願い事を書いた布やリボンを枝に巻きつけて、願掛けをする)として愛され、何世代にもわたって、町を静かに見守ってきたレッド。ある少女が引っ越してきたのをきっかけに、平穏な日々に変化が起こり、レッドの木としての人生もゆるがす事態へと発展していきます。レッドは古木ということもあり、語り口は淡々としているのですが、その言葉はやさしさに満ちていて、しみじみ、じんわり心にしみてきます。

 

 この本、文章もとてもよかったのですが、挿絵がまた素敵でした。オポッサムとかカラスとか、ちょっと強面(?)の動物も、愛嬌たっぷりに描かれているので、思わずほほが緩みます。最後のほうで動物勢ぞろいの場面が出てくるのですが(動画で見れます)、そのイラストが本当に素敵なんです。 

 挿絵を描いたのは、イラストレーターのCharles Santosoさん。この作品以外にも、たくさんの児童書の挿絵を担当されているので、動物ものの作品があったら、ぜひ読みたいと思います。

 

 木は動けないので、流れに自身の運命をゆだねるしかない(レッドいわく、passiveな)存在ですが、目には見えない形で、生き物や人間に働きかけ、さまざまな影響を与えている。1本の木が、町のシンボルになったり、忘れられない思い出になったりする。自然ってそういうものなんでしょうね。読み終わって、そんなことを考えました。

 

 *期待通り、翻訳書が出版されました!

 

『願いごとの樹』

キャサリン・アップルゲイト:著 尾高 薫:訳

 

 タイトルにあるように、「木」じゃなくて「樹」としたほうがしっくりくるので、なぜだろうと調べてみました。どうやら「樹」という字は、「生きている木」にしか使わないようです。レッドは物語のなかで、しっかり生きている木ですからね。

 

冬の木

 

 動物がたくさん登場して、挿絵もツボ、という本に出会うとうれしくなります。手元にあるものだと、こちらもおすすめです。

 

The Illustrated Compendium of Amazing Animal Facts by Maja Saefstroem

 

 この本については、以前に一度アップしているのですが(過去記事)、Majaさんのほんわかした、ちょっと不思議なテイストのイラストがなんともいえません。

 シリーズ2冊目が出版されていました! ほしい!

 

Animals of a Bygone Era: An Illustrated Compendium


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