犬たち

(犬って、大きくても小さくても犬なんですよね……当たり前ですが。)

 

K9ユニット(警察犬チーム)もののミステリーを読了。

 

 

◆Killing Trail: A Timber Creek K9 Mystery by Margaret Mizushima

著者マーガレット・ミズシマさんのウェブサイト→Margaret Mizushima Official Site

 

 K9ユニットが活躍するミステリーといえば、ロバート・クレイスの爛好灰奪函マギー瓮轡蝓璽困頭に思い浮かぶのですが、こちらのシリーズもとてもおもしろく、愛読シリーズに仲間入りしました!

 

<ストーリー概要>

 コロラド州ティンバー・クリーク郡のK9ユニットとして活動する、保安官補でハンドラーのマッティと、警察犬(ジャーマン・シェパード)のロボ。ふたりは山中で少女の遺体を発見し、殺人事件として捜査が開始される。事件には、郡内に密かにはびこる麻薬取引が絡んでいることが判明するが、容疑者とおぼしき人物は、すでに殺害されていたのだった。

 2件の殺人事件と麻薬取引の陰にいるのは誰なのか? ロボの働きによって、追うべき線が次第に明らかになり、ついにマッティは犯人にたどり着く。だが、犯人と対峙したマッティとロボの身に、最大の危険が迫る……! 

 

<感想>

 女性がハンドラーのK9ユニットもの海外ミステリー。主人公マッティのキャラクターが、なんというか、気負いすぎない爐舛腓Δ匹いご兇賢瓩如△修譴読みやすさにつながっていると思います。

 マッティは競争を勝ち抜いてハンドラーに選抜されたこともあり(直属の上司がライバルだった)、いきおい肩に力が入っていますが、自分の弱いところは素直に認め、失敗を活かしつつ、まっすぐに任務に取り組んでいます。その姿に、すっと感情移入できました。マッティが相棒のロボと一緒に成長していく過程も、このシリーズを読む楽しみになりそうです。

 

 このシリーズでは、爛好灰奪函マギー瓮轡蝓璽困離泪ーのように、犬視点の章や描写はなく、あくまでマッティから見たロボ、というスタンスで描かれています。「マッティがロボをどこまで信頼できるか」が鍵になるのですが、ロボはそのマッティの信頼に応え、クライマックスでも大活躍します!

 

 マッティを取り巻くキャラクターも、いい味を出しています。ハンドラー選抜試験でライバルだった上司ブロディは、(マッティに負けたことが悔しくて)上司という地位を振りかざしてくる、いやな奴という印象だったのですが、実は仕事熱心で、何気にかわいい?一面もあったりして、後半は見直しました。

 事件にかかわる犬を治療し、ロボの担当医にもなる獣医のコールは、マッティの次に、内面や人間性が濃く描かれた登場人物です。ふたりの娘(ひとりはまだ幼い)を抱えて奮闘するシングルファーザーでもあり、マッティは彼のことが気になる様子。今後の作品で、マッティとコールの関係が深まっていく可能性がありそうです。

 コールが診察にあたるシーンの描写が妙に細かいと思ったら、著者マーガレットさんの配偶者は獣医なんだそう(お名前からして、日系の方でしょうか)。マーガレットさんも、夫のクリニックを手伝っているということなので、どうりで詳しいはずです。

 

 激しいアクションシーンや、度肝を抜くようなどんでん返しはないのですが、そのぶん落ち着いて読める、読後感の良い作品だと思います。マッティを取り巻く人間が、基本的に爐いた有瓩个りなので、ドロドロした陰湿なミステリー(笑)に少々嫌気がさしていた私には、ぴったりな一冊でした。

 続編が2冊刊行されているので、続いてそちらを読むつもり(翻訳書が出版されるといいのですが、原書はシリーズ三作目まで刊行されているのに出ていないということは……翻訳は出ないんでしょうね。残念です。自分が訳したい! とここは言ってしまおう!)。

 

 ずいぶん昔、コロラド州近隣に数年間住んでいたので、この作品に漂うロッキー山脈地帯の地方色が、読んでいて妙に心地よかったです。わたしが住んでいたのも山の近くで、自然に囲まれた町だったので(人間よりも羊の数が多い、なんてジョークも飛ばしていたほど)、なんだか懐かしい気分になりました。

 

 ロボやマギーのように、K9(警察犬)に選ばれる犬種は、アメリカではジャーマン・シェパードなど大型犬が主流です。シェパード以外だと、ビーグル、バセット・ハウンド、ブラッド・ハウンドといった犬種も活躍しています。小型犬種が警察犬になることは稀ですが、最近では日本でも、プードルやミニチュア・シュナウザー、パピヨンなどが警察犬に倏ぬ伸瓩気譟∀誕蠅砲覆蠅泙靴拭

 アメリカのオハイオ州でも、2006年、ミッジという、とても小さな犬(チワワとラット・テリアのミックスで、わずか3kgという小ささ!)が警察犬となり、その年のギネスブックに「世界最小の警察犬」として掲載されています。

 これがそのミッジちゃん。

 


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