子供のころから、大きな犬を飼うのが夢でした。10代の頃に、ゴールデン・レトリバーを家族に迎えて、夢は叶ったのですが(うちの子はちょっと小ぶりでしたが)、とことん大きな犬を飼いたいという気持ちは今もあります。

 大型犬のなかでも、わたしの憧れは、アイリッシュ・ウルフハウンド(全犬種の中で、体高が最大の犬)、そしてなんといっても、ニューファンドランドです。あの"droopy"(垂れ下がった)目と、堂々たる体躯に、なんとも言えないやさしい雰囲気……最高です。

 このニューファンドランドが登場するノンフィクションを読みました。飼い主に捨てられたニューファンドランドを、シェルターから引き取った男性が綴った実話です。

 

 

Free Days with George by Colin Campell

 

 表紙のニューファンドランド・ランドシーア(白黒のニューファンドランド)が、主人公(?)のジョージ君。

 作者のコリンさんは、愛する奥さんに突然離婚を切り出され、人生のどん底を味わいます。広い家にひとり暮らしだったコリンさんを心配した友人が、犬を飼うことをすすめます。シェルターから引き取ってはというアドバイスにしたがって、見つけたのがこのジョージ君でした。

 ジョージ君も、飼い主に飼育放棄され(番犬にと飼ったけれど、番犬にならなかった、という理由で……ニューファンドランドは、性格的に、そもそも番犬向きではありません)、心に傷を負っていました。こうして、ひとりと一匹は一緒に暮らすことになりました。ともに立ち直るために。

 

 コリンさんはカナダ在住でしたが、仕事でアメリカはカリフォルニア州に栄転することになります。引っ越したのは、目の前が海岸!というロケーション。そこでジョージ君の血が騒ぎます。

 ニューファンドランドは、カナダのニューファンドランド島原産の犬種で、水の大好きな犬(足にはなんと、水かきがある!)。泳ぎが得意で、海難救助犬としても活躍しています。海に本能をかき立てられたジョージ君は、コリンさんとサーフィンを始めます(教えてもいないのに、ボードの上に乗ってきたとか)。たちまち、ジョージ君はビーチで大人気の犬になりました。

 

 ジョージ君のサーフィンの話がメインではなく(後半、カリフォルニアに移ってからの話なので)、ジョージ君がいかに傷ついた犬だったか、ふたりがどうやって信頼を築いていったかということが、大げさではない、誠実な言葉で綴られています。

 コリンさんは人生のなかで祖父(第二次世界大戦で、仲間を助けた功績により表彰されている、立派な方のようです)に大きな影響を受けたと語っています。タイトルの"Free Day"というのは、そのおじいちゃんの言葉で、「一日中、大好きな人と一緒に、何でも好きなことをする日」で、その日は「決して年を取らない」と。素敵な言葉だなと思いました。

 

 コリンさんの気取らない語り口がとても読みやすく、ノンフィクションですが小説のように楽しく読めました。犬好き、とくに大きな犬が好きという人や、保護犬に興味がある人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です(翻訳書は出ていませんが)。

 

ニューファンドランド

(ニューファンドランド。かわいいです。)


Profile

Archive

Search

Other

Mobile

qrcode

Bookshelf

Murder, She Barked
Free Days With George: Learning Life's Little Lessons from One Very Big Dog
Not a Sound
Killing Trail
The Education of Will: A Mutual Memoir of a Woman and Her Dog
Wishtree
See You in the Cosmos
Stalking Ground
 
Not a Creature Was Purring
Dog Songs
The Lost Words
The Darkest Thread
The Snow Child
I Could Chew on This: And Other Poems by Dogs
You Need More Sleep: Advice from Cats
Death by Chocolate Lab