セキレイ

(Wagtail:セキレイ)

 

「犬&猫もの」のコージー・ミステリー・シリーズの第一弾を読みました。

 

 

Murder, She Barked by Krista Davis

 

 ワシントンD.C.で暮らす主人公ホリーが、愛するオーマ(オーマ(Oma)はドイツ語で「おばあちゃん」。オーマはドイツ出身で、アメリカに移住しているという設定)から急な電話で呼び出され、故郷のヴァージニア州ワグテイルまで車を飛ばす、というところから物語がスタート。その道中、犬(ジャックラッセル・テリア。これが表紙の犬で、名前は「トリクシー」)を拾ったり、炎上する車を目撃したりと、序盤から盛りだくさんな感じでワグテイルに到着。

 ワグテイルは「ペット・フレンドリー」をうりにしている保養地で、オーマはペット・オーナーに大人気のホテル経営者です。オーマが誰かに命を狙われているらしいので、オーマを守るため、ホリーはワグテイルに留まることにするのですが……。

 その後、ホリーの恋人ベンと、ベンの昔の彼女キムが現れてやきもきし、幼馴染のホームズに思わずときめき、殺人事件が起こり(これがメイン)、トリクシーが行方不明になり、ホリーが素人探偵をはじめ……と、コージーお約束の畳みかける展開が続きます。少し話が掴みにくいところもありましたが、プロットはしっかりしていて、いろいろと張られた伏線も最後にきちんと回収され、「あの話は何だったのか?」ということもなかったです。

 

 コージー・ミステリーといえば、「絵はがきのような田舎の村」が舞台になることも多いですが、本作の舞台のワグテイルも、自然あふれる美しい村です。ペットで町おこしをしているという設定で、ホテルもレストランもショップも、町中どこでもペットOKの、まさにペット・パラダイス。オーマのホテルの部屋も、ペットのおやつやおもちゃが用意され、至れり尽くせりです。レディースフロアならぬ、猫専用フロアみたいなのもある! 宿泊ペットには、GPSつきの首輪をつけることになっていて、万一迷子になっても探せるようになっていたり(このGPS首輪が事件解決に一役買うことに)となかなかに細かい!

 

 トリクシーと、トゥインクルトウ(表紙の三毛猫)が、いちおうメインの動物キャラクターで、そのほかにも、ジンジャースナップ(オーマの飼っているゴールデンレトリバー)などなど、犬や猫がたくさん登場します。本作はPaws and Claws Mystery瓠米球と爪、つまり犬と猫?)というシリーズの第1作で、トリクシーたちも、これからだんだんと活躍の場が増えていくのかもしれません。

 

 書評サイトGoodreadsでは、5作ともそれなりの数のレビューがついていて、評価もすべて星4以上なので、完成度やおもしろさも安定しているシリーズのようです。

 

 この作家さん、別のコージー・シリーズも発表していて、そちらは翻訳版が出版されています。主人公が「家事アドバイザー」というちょっと変わった設定で、愛読していました。翻訳版の続きが出ないか楽しみにしているのですが……。

 

 

感謝祭は邪魔だらけ

クリスタ・デイヴィス:著、島村浩子:訳


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