シェパード

 

 世の中には犬好きも多いので(最近は猫人気に押され気味ですが)、犬が主人公の本・犬が登場する本には一定の需要がある気がします。ということで、海外のすばらしい「犬本」(勝手にジャンル化)との出会いを楽しみに、読書に励んでいます。

 前に「名犬チェットシリーズ」のことを書きましたが、「犬ミステリーといえば、忘れちゃいけない」という作品があります。それがこちら。

 

 容疑者

◆『容疑者』 

ロバート・クレイス:著 高橋恭美子:訳

 

 刑事スコット&シェパート犬・マギーのコンビのシリーズ第一作。警察もの(K9、つまり警察犬をパートナーとする部隊)で、語り口もストーリーもやや硬派ですが、犬の描写になると、なんだかぐっと柔らかくなる気がします。作者の犬への愛情?でしょうか。

 マギーの視点で書かれた章は、犬派の人間にはたまりません。マギーは軍用犬で、戦争でパートナーを失い、心身ともに大きな傷を負います。そのマギーが、同じように傷ついたスコットと出会い、一緒に再生していく様子が描かれていて、「マギー、がんばって!」(スコットは?)と、読みながら心の中で応援していました。マギーにとって、スコットは家族であり、ボスであり、生きる理由であり……とにかく、すべてなんです。そんなマギーのひたむきさが、シリアスでハードボイルドな内容に人間らしい(犬だけど)ぬくもりを添えてくれています。

 

 この作品、犬の行動、とくに嗅覚の描写がすばらしいです。この作品を読めば、犬がどんなふうに「におい」を嗅いでいるのか疑似体験できます。うちの子たちと散歩に出たときに、飽きもせずにおいをかぎまわる姿をしげしげ眺めてしまいました(人間が臭いと感じるにおいが、この子たちにはいい匂いだったりするんですよね……)。うちには超シニア犬もいるのですが、においだけは敏感、というか健在です。床に落っこちたフード一粒、見逃し(嗅ぎ残し)ません。

 

 チェット・シリーズのチェットは、「ぼく」と一人称ですが、こちらのマギーは三人称で語られています。どちらの作品も、犬については「本気かつ真面目」に描いているので、犬好きさんも納得・満足できると思います。個人的には、チェットの「ちょっとぬけてる感じ」が好きなんですが、マギーも大好きです。


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