オーストリア

 

 しばらく前に読了した、こちらのミステリー。

 

刺青の殺人者

刺青の殺人者

アンドレアス・グルーバー:著 酒寄進一:訳

 

 作者は、ドイツ語圏で大人気の、オーストリア人作家。前作『夏を殺す少女』もそうでしたが、独特の暗さと、重厚な空気感、かつスピーディーな展開という、読み応え抜群のミステリーでした。とくに終盤は、まさに手に汗握る展開で、はやる気持ちでページをめくりました。

 本作も前作同様、若い女性弁護士・エヴェリーンと、中年シングルファーザー(ちなみに喘息持ち)の刑事・ヴァルターがダブル主役という形です。ふたつの物語が交差し、最後はひとつになって怒涛のクライマックスへ!テンポアップするまでの序盤から中盤、もうちょっとじっくり読みたかったのですが、ここのところゆっくり読書する時間がなく、ちょっと流し読み気味になってしまったのがもったいなかった……。

 グルーバーは、『黒のクイーン』(男性の探偵・ホガートが主人公のシリーズで、古典映画が題材となっている)、『月の夜は暗く』(女性捜査官・ザビーネと変わり者の男性分析官・スナイデルのコンビのシリーズで、古典文学が題材)と、複数のシリーズをかき分けているようです。

 個人的には、スナイデルのキャラクターが魅力的(というか個性的)な『月の夜は暗く』が、いまのところシリーズ中いちばんかなと思っています。作中、『もじゃもじゃペーター』という絵本が出てくるのですが、タイトルだけで読みたくなりました(といっても、これを「見立て殺人」に使うくらいなので、子供向け?と思いたくなるような残酷物語のようですが……)。シリーズの続きは本国では刊行されているようなので、翻訳が出るのを楽しみにしています(出てほしい!)。


Profile

Archive

Search

Other

Mobile

qrcode

Bookshelf

Murder, She Barked
Free Days With George: Learning Life's Little Lessons from One Very Big Dog
Not a Sound
Killing Trail
The Education of Will: A Mutual Memoir of a Woman and Her Dog
Wishtree
See You in the Cosmos
Stalking Ground
 
Not a Creature Was Purring
Dog Songs
The Lost Words
The Darkest Thread
The Snow Child
I Could Chew on This: And Other Poems by Dogs
You Need More Sleep: Advice from Cats
Death by Chocolate Lab
All That Ails You: The Adventures of a Canine Caregiver
The Feather Thief: Beauty, Obsession, and the Natural History Heist of the Century