今月も、といってももう中旬ですが、犬本に手をつけました。

 Kindleのサンプルをダウンロードしてから、しばらく放置状態だったこのミステリー。

 

Blood on the Tracks by Barbara Nickless

 

 なんだかドロドロ感漂う表紙とタイトルですが、内容も硬派&シリアスです。

 主人公は、鉄道警察官でK9ユニットのハンドラーであるシドニー・ローズ。彼女と相棒のクライド(シェパード)は、イラクで壮絶な体験をし、帰国後はPTSDに苦しんでいます。同じ鉄道警察官で、自身の育ての親でもあるニックの姪が惨殺される事件が起こり、シドニー・ローズとクライド、そしてニックも捜査に加わることに。容疑者とされているのは、殺害された姪の恋人で、イラク帰還兵の男。任務中、顔や身体に大きなやけどを負い、爛弌璽鵐鼻Ε泪鶚瓩噺討个譴討い襪海涼砲肇轡疋法次Ε蹇璽困蓮偶然にもイラクで同じ極秘作戦にかかわっていました。

 忘れたい過去と、イラクで失った恋人や仲間たちの亡霊に悩まされながら、シドニー・ローズとクライドは事件の真相に迫っていくのですが……と、読んだのは1/3ほど。想像以上に、バイオレンス色の強い内容で、完全に手が止まってしまいました。シドニー・ローズのイラクでの任務は、仲間の遺体の回収。それだけに、生々しい描写も多く、最後まで読む自信が……。文体は読みやすいですし、テンポもいいので、クライドの活躍の場面が増えれば、なんとか読み切れるかも?と思ったのですが、K9の活躍よりも、主人公の心の闇と戦争体験がテーマのようなので、それもなさそうです……。

 ちなみに、著者のプロフィールを見ると、「日本で生まれて、グアムで育った」とあるので、ご家族が軍関係?と勝手に想像しています(それなら、軍関係の描写が細かいのも頷けます)。

 

 わたしはそもそもコージーミステリーが好きで、硬派でシリアスなミステリー(スパイもの、戦争もの、ハードボイルドなど)は苦手。なので、今回は完全に手をつける作品を間違いました……。「女性K9ハンドラー」が主人公の海外ミステリー(原書)は、これまでに2シリーズ読んでいますが、K9ものにもいろいろありますね。勉強になりました。シドニー・ローズと同じ「女性で帰還兵でK9ハンドラー」が主人公の作品がもう1冊、積読リストに入っていますが、寝かしたままになりそう。

 

シェパード

花と犬

 

 去年から、アメリカの犬雑誌Barkを購読しています。最初に届いたときは、薄い雑誌だと思ったのですが、記事がとても充実していて、なかなか読み切れないほど。

 

Bark Spring 2018

 

 今月号は、なんと「戌年」記念号!紙面のいたるところに、中国や日本の「戌」にちなんだ絵画や工芸品の写真が掲載されています。さらに、日米合作のストップモーション・アニメーション映画『Isle of Dogs(犬ヶ島)』を特集。いつになく、日本色の濃い内容です!

 

(とってもシュールな、でも犬好きは泣けそうな映画。)

 

 日本人イラストレーターの木内達朗さんの作品も紹介されていました。

(アメリカでも、柴犬が人気だとか。)

http://tatsurokiuchi.com/a-shibainu-in-central-park

 

 Barkにはブックレビューのコーナーがあるのが、本好きにはたまりません。今月号で気になったのは、こちらの一冊。

 

Have Dog, Will Travel: A Poet's Journey by Stephen Kuusisto

 

 盲目の詩人による自伝。タイトルと表紙にもあるように、盲導犬の存在が、生活や行動範囲、そして創作に大きな変化や影響を与えたということが綴られているようです。

(この著者は以前にも自伝を出版していて、そちらは翻訳書が出ていました。翻訳書は『わたしは、目が見えない。』というタイトルで、出版は1999年とかなり古いです。)

 これ以上積読本を増やしても、と思いつつ、Kindleのサンプルをダウンロードしてしまいました……。

 

マスティフの子犬

(マスティフの子犬。貫禄じゅうぶんです。)

 

『愛犬ジゼルとの最後の約束』を読了しました。

 毎日少しずつ読んでいましたが、もう序盤から涙目で……でも、だからといって、本を閉じようという気持ちには一度もなりませんでした。結末はわかっていても、最後まで読書のモチベーションが下がることがないのは、ノンフィクション(実話)の力だと思います。著者のローレンさんの声を聞きながら、彼女の愛犬ジゼルが生きた日々をしっかりと見届けるんだ、という熱い思いを胸に、最後の1ページまで読み進めることができました。読み切ったいまは、心洗われるというか、すがすがしさが残っています。

 

 この本のすばらしいところは、ローレンさんの語り口です。20代前半という若さがあふれる文体ですが、全体的に、一歩引いたような、冷静に過去を振り返り、自分を見つめ直しているような視線も感じられました。悲しみを受け入れて、前に進んでいこうという強さ、この体験から学び、手にした成長が文章に表れていて、読んでいるこちらも救われた気持ちになりました。

 

 我が家にも17歳のシニア犬がいるので、「その日」が近づいていることを頭では理解しながら、ときに考えないようにしながら、毎日を過ごしています。別れの悲しみから逃げることがないよう、精一杯受け止められるよう、背中を押してもらいたくて、こういうテーマの本を読んでいるのかもしれません。

 

 じんわり心が温かくなる犬本(ノンフィクション)としては、去年読んだこちらの本と同じくらいよかったです。

 

Free Days with George by Colin Campell

(感想はこちら。)

 

 残念なことに、このジョージ君、昨年末に亡くなっています。癌だったそうです。イングリッシュ・マスティフのジゼルちゃんと、ニューファンドランド・ランドシーアのジョージ君、同じ"Gentle Giant"どうし、天国で出会って友達になっているかもしれませんね。

 

「犬と人との絆」がテーマの本を何冊かピックアップしているので、近いうちに読みたいと思います。

 

アティカス

 

『アティカス、冒険と人生をくれた犬』

トム ライアン:著 金原 瑞人、井上 里:訳

 

 一昨年くらいだったか、この本の原書を読み始めて、読み切れずに放置していたのでした。

 表紙のアティカス君(ミニチュア・シュナウザー)と、北米の冬山をチャリティ登山(なんと147峰!)する著者の実話です。厳しい自然の描写にやられてしまい、どうしても最後まで読めず……だったのですが、なんとこの作品が金原瑞人先生の訳で読めるとは! 

『おやすみ、リリー』も越前敏弥先生の訳で読めたし、気になっている犬本が翻訳書で出版されるというのが続いていて、とてもうれしいです。

 

◆Finding Gobi: The True Story of a Little Dog and an Incredible Journey 

by Dion Leonard

 

 こちらは、テレビや新聞記事でも取り上げられていた、砂漠のレース犬「ゴビ」の本です。

 日経新聞電子版の記事→NIKKEI STYLE

 こちらも、翻訳書が出るのではないかと楽しみにしています!(記事にもありましたが、今年は「戌年」ですから!)

救助犬

 

 先月末から読んでいた、探索救助犬ものミステリーのThe Darkest Thread(by Jen Blood)を読了しました。

 行方不明のふたりの少女を探すよう依頼された女性ハンドラーが、相棒のファントム(犬)、息子のベアらとともに捜索をするなかで、過去の行方不明事件やFBIのスキャンダルが明らかになっていく、というストーリーでした。

 

 舞台となるのはアメリカ・バーモント州の山間部。そこには、社会とはほとんどかかわりをもたず、自給自足のような生活をしている大家族(行方不明の少女は、その家長の娘)が住んでいます。この家族のひとりが、元FBIエージェントで、過去に自分の妹を含め何人もの女性を殺した犯人として収監されている人物(本人は無実を主張)。主人公に捜索を依頼してきたFBIエージェントのジャック(ジェイミーとのロマンスの雰囲気もあり)のかつてのメンターでもありました。その人物を、刑務所から無理やり連れだして、捜査に協力させるという荒業?も使いますが、なかなか行方不明事件の捜査は進みません。

 ほかにも、大家族メンバーにあやしい人物がいたり(というか全員あやしい)、FBIエージェント同士のいざこざがあったり、ジェイミーの過去がからんできたり、ベアが大家族によって人質に取られたり(ジェイミーに「必死に」捜索させるため、ということなのですが……無理がある?)と、やや盛り込みすぎな感もありました。

 

 そういう複雑さもあり、前半はなかなか読書エンジンがかからなかったのですが、捜索の場面の描写や、ジェイミーの奮闘する姿にひきこまれて、後半はギアチェンジで一気読みでした。主人公とその息子の特殊能力(ゴーストの声が聞こえる&姿が見える)がストーリーのアクセントになっているのですが、そこが弱かったのが残念な気もします。もうちょっと、ぞくっとさせてくれてもよかったのかな?と。まあ、あまりスーパーナチュラルな部分を強調してしまうと、陳腐になってしまうんでしょうけど。

 

 犬たちの活躍はしっかりと描かれていましたが、できれば、ファントムたち探索犬のことをもっと書いてほしかった! 同じK9翻訳ミステリーのキャラクター、ロバート・クレイスの「マギー」とか、個人的に「推し犬ものミステリー」でもあるマーガレット・ミズシマの「K9ユニットシリーズ」に出てくる「ロボ」には負けるかな……という印象でした。

 

 2月最初の犬本として、次はこちらの翻訳書を読み始めました。

 

愛犬ジゼルとの最後の約束

『愛犬ジゼルとの最後の約束』

ローレン・ファーン・ワット:著 三橋智子:訳

 

 100パーセント犬本です。もう、タイトルからして犬好きは泣けてきそうな本ですね。こういう(「愛犬との最期の日々」といった)テーマの本は「お涙頂戴でどうも……」という読者もいるでしょうけど、わたしは「泣くことも含めた感動体験」をしたくて手に取ってしまいます。読書もひとつの体験ですし、本を買うというのは体験を買うことでもあるのかなと(「モノを買うんじゃなくて、体験を買うんだ」なんて、いま流行りのフレーズみたいですが)。だから、たっぷりじっくり体験したいと思います!

 先週末、東京で開かれた「ペット栄養管理士養成講習会」を受講しました。

 2日間、朝から夕方までみっちり講義で、途中睡魔にも襲われつつも(先生すみません……乗り物酔いの薬のせいです)、なんとか完走。

 

 この講習会を受けたのは、「犬や動物がテーマの本を翻訳したい」「出版翻訳の仕事をするうえで、専門分野を持ちたい」という目標があって、それなら犬やペットのことについて、もっとちゃんと勉強しようと考えたからでした。Courseraの犬・ペット関係のコースを取ったりはしていますが、やっぱり日本語で勉強しておきたいというのもありました。

 ペットの資格をリサーチすると、いろいろ出てきますが、どれもピンとこない……というときに、ペット関連の仕事をしている妹から勧められたのが(自分が参加したいけど、仕事休めないから代わりに行ってきて!と)、「ペット栄養管理士」でした。

 

 その名の通り、「ペットの栄養」がテーマの資格です。「ペット栄養学会」という、獣医さんや獣医学科を有する大学の先生、動物学の専門家などで構成されている、由緒正しき学術団体が主催する資格で、2日間の講習会を3つ受講して、やっと受験資格(資格じゃなくて、「受験」資格)がいただけるという、かなり本格的な資格(しかも、講習会の会場は東京のみという、地方者泣かせ……)。

 

 実際に講習会に参加してみて、ペットの栄養学がご専門の著名な先生方から直接お話が聞けて、とても勉強になりました。普段食べさせているペットフードの材料や添加物のこと、肥満のこと、歯の健康のこと……講義を受けただけではなかなか消化しきれない内容だったので、これからテキストをみながら少しずつ復習します。

 個人的にうれしかったのが、「うさぎ」についての講義があったこと。むかしうさぎを飼っていたときに知ってたらよかったなぁと思う情報が満載でした。うちの子は、近所のお祭りで売られてたミニうさぎで、12歳くらいまで長生きしてくれました(大昔は、うさぎやひよこをお祭りで売ってたんですよね……)が、先生のお話を聞くと、エサとかいろいろ、うさぎの生態に合わないことをやってたんだなと、いまさらながら反省しました(ごめんね、ウタコちゃん)。

 

 印象に残ったのは「口から取る栄養の大事さ」でしょうか。病気になったりして食事ができなくなった犬や猫に、カテーテルや点滴で栄養を与えることはできるけど、やっぱり栄養は口から取らなきゃだめだってことですね。強制的に栄養を体に入れるんじゃなくて、噛んで、飲み込んで、胃で消化して、腸で吸収して、っていう、このプロセスが生きるってことなんだと、あらためて感じました(術後の回復にも「食事」が重要、というお話もありました)。

 

 勉強して、何がよくて何がよくないかを頭で理解したからといって、なかなかすべてをあらためることはできませんが(そうすべきなんでしょうけど)、できるだけ意識して、改善できるところはしながら、わんこ&かめ(かめの講義はなかった……)たちと暮らしていければいいのかなと。

 そして、学んだことをいつか出版翻訳で活かすために、知識は知識としてしっかり身に着けたいと思います!

 

 日本ペット栄養学会

(「出版翻訳」を理由にこの講習会を受ける人なんて、そうそういないだろうな……と思いつつ、田舎からえっちら東京まで出張ってきました!)

 試し読みしていたChancer: How One Good Boy Saved (by Donnie Kanter Winokur)ですが、テーマがテーマだけに、やっぱり読み通すのはきつそうでした……回顧録というのは、あたりまえといえばそうなのですが、語られている人や状況に自分との共通点や、興味がないと、なかなか本に入っていけません。「よっぽどでないと(日本でも有名な人物とか)、伝記ものの翻訳書は出版が難しい」と聞いたことがあるのですが、そういう部分(読者の共感とか、興味とか)が大いに関係しているんでしょうね。

 でも、「はたらく犬(Service Dog)」がテーマのノンフィクションを読んでみようという気になったので、別の作品を探してみました。

 

 フィクションですが、こちらを読みはじめました。

 

The Darkest Thread by Jen Blood

 

 表紙から想像がつきますが、探索救助犬が登場するミステリーです。アメリカ・バーモント州で少女2人が行方不明になり、ドッグトレーナーで救助犬のハンドラーである主人公ジェイミーと、パートナーのファントム(犬)のところに捜索協力の依頼がきます。この2人の少女の叔母が10年前に殺されていたこともあり、FBIが指揮をとる大掛かりな捜索が行われていました。さらに、ほかの少女行方不明事件との関連性も疑われ……という、切迫感、緊張感漂うオープニング。舞台設定としてはありがちな感じもしますが、どうやら主人公とその息子には特殊能力(ほかの人には見えないものが見え、聞こえない声が聞こえる、という)があるというところが、この作品のオリジナリティのようです。まだ序盤を読んだだけなのですが、ベストセラーのシリーズ(微妙に本作とつながっているというか、本作がスピンオフのようです)を持つ著者の作品だけに、これからどういう展開になるのか楽しみです。

 

「はたらく犬」は、犬の鋭い嗅覚を活かして任務にあたっていることがほとんどだと思います。犬の嗅覚や能力がテーマのノンフィクションはたくさん出版されていますが、なかでもベストセラーになった、Inside of a Dog: What Dogs See, Smell, and Know(翻訳版は『犬から見た世界』)の著者アレクサンドラ・ホロウィッツさんが「嗅覚を活かしてはたらく犬」について語ったラジオ番組を見つけました。

 

NPR:From Fire Hydrants To Rescue Work, Dogs Perceive The World Through Smell

 

 まだじっくり聞いていませんが、いろんな現場や状況ではたらく犬がいるんですね!

 ホロウィッツさんの新しい本が出ていました(だいぶ前ですが……)。

 

Being a Dog by Alexandra Horowitz

 

はたらく犬といえば、これもそう?

犬ぞり

 いろいろと立て込んでいて、お正月以降ほとんど読書ができていませんが、今年も「犬本」をたくさん読みたいと思います!

 気になっている本がこちら。

 

『ある女の子のための犬のお話』

ダーチャ・マライーニ:著 望月 紀子:訳

 

 イタリアの作家さんの短編集。犬だけでなく、いろんな動物が登場するようです。表紙のイラストが、なんとも不思議な雰囲気をかもしだしています。女の子より犬が大きいというところが、個人的にツボです。仕事が山を越えたら、読むぞー!

 

 アメリカの犬雑誌Barkで紹介されていた、こちらの本も読みたいなと思いました。

 

Chancer: How One Good Boy Saved by Donnie Kanter Winokur

 

 こちらは、ノンフィクション(回顧録)です。著者のお子さん(ふたりいて、どちらも養子)のひとりが胎児性アルコール症候群(先天性の疾患)に罹患していることがわかり、家族はさまざまな問題、困難に直面することになります。成長するにつれ、症状が重くなる息子のことを思い、著者とその夫はChancerという特別に訓練されたサービスドッグを家族に迎えることにします。この本は、そのChancerと家族の物語です。テーマがシリアスなものですし、犬(Chancer)についてどの程度描かれているのかわからないので、まずはKindleでサンプルを読んでみようと思います。(こういうとき、Kindleは便利。洋書はとくに、文体とか語り口によって読みづらさが変わってくるので、購入前に感触がつかめるのは助かります。とか言って、ついついサンプルをたくさんダウンロードしてしまうのですが……。)

 

 昨年、犬と飼い主の関係がテーマのノンフィクションを何冊か読みましたが、それぞれに感じるところが大きく、ノンフィクションのおもしろさに気づかせてもらいました。「実話の力」というか……。今年も、できるだけノンフィクションを読んでいきたいです!

 

犬のシルエット

 

 そして今年も、American Kennel Clubのウェブサイトに癒されてます。勉強になる記事・おもしろクイズ満載なので、仕事の合間の気晴らしに、とか思って見てしまうとえらい目にあいます(いつの間にか1時間くらい経ってたり……)。

 

 わんこのシルエットクイズを見つけました→QUIZ: Can You Guess The Dog Breed By The Silhouette?

 Round2もありますが、難しかった……秋田犬と柴犬のシルエットなんて、見分けられない……

ビーグル

(ビーグル。詩集の表紙の犬に似てるかなと。)

 

 年末年始に、こちらの詩集を読み終わりました。

 

Dog Songs by Mary Oliver

 

 タイトル通り、犬について詠った詩(と短いエッセイ)がつまった詩集です。著者のメアリーさんが、いかに犬を愛しているかが伝わってきて、しみじみと共感しながら読みました(メアリーさんは、犬の存在そのものが「詩」だと言ってます)。なかでも、わたしが好きな詩の一節がこちら。

...all of the sights I love in this world―and there are plentyーvery near the top of the list is this one: dogs without leashes. 

("If You Are Holding This Book")

 

(この世界には、愛すべき光景があふれている。そのなかからひとつだけ選ぶとしたら、わたしはこう答えるだろう。それは、リードから解放された犬の姿だと。)

「リードをつけずに走り回る犬の姿」って、たしかに見ているこちらも幸せになる光景ですね。もう、犬のテンションが違うんです!

 

 この詩集の詩はどれも平易な言葉で綴られていて、難解さはまったくありません。メアリーさんは、詩人ならではの観察眼と想像力で、犬のなにげないしぐさ、生活の一場面を切りとり、躍動感とユーモア、命の輝きにあふれる詩へと昇華しています。本のなかで、美しい言葉、心に残る言葉に、いくつも出会うことができました。

Dog is docile, and then forgets. Dog promises then forgets.

("Dog Talk")

 

(犬は従順だけれど、すぐ忘れる。犬は約束するけれど、それもすぐ忘れてしまう。)

「わかった!」「もうしません!」とか言って、すぐ忘れるのはうちの子の得意技です。

 

We would do anything to keep them with us, and to keep them young. The one gift we cannot give.

("Dog Talk")

 

(犬とずっと一緒にいるためなら、この子たちを若い姿のままとどめておけるなら、なんだってするだろう。でもそれは、決して与えることのできない贈り物なのだ。)

 犬好きだけでなく、動物や自然を愛する人にぜひ読んでほしい詩集です。

 

 そういえば、去年購読手続きをした雑誌が、ようやく届きました。

 

Bark 2017 winter

(写真はBark Magazineのサイトからお借りしました。)

 届いたのは、刊行20周年の記念号でした。日本にも犬やペットの雑誌はたくさんありますが、Barkは結構社会派な記事が多いようです。薄い雑誌ですが、中身もペットフードなどの広告ばかりじゃなくて、記事満載で読み応えがあります。日本のペット雑誌や会報誌(日本動物愛玩協会)も愛読しているので、読み比べると、日米のペット事情の違いなどがわかって勉強になりそうです。

robin

(鳥って、正面から見ると愛嬌ありますね……うちの亀もそうですが)

 

 クリスマスは終わりましたが、「自分へのクリスマスプレゼント」という名目(言い訳)で取り寄せた本を、次は読みたいと思います。

 まずはこちら。

 

Dog Songs by Mary Oliver

 

 ピューリッツァー賞も受賞した詩人による、「犬」がテーマの詩集です。挿絵に登場する犬がどの子も愛らしくて、思わずほほえんでしまいます。味のある、繊細なタッチで描かれていて(表紙の犬もそのひとつ)、部屋に飾りたいくらい。

 普段から詩を読んでいるわけではないのですが、どの詩も「犬」を詠ったものなので、感覚で理解できるかな?と。

 

 メアリーさんご本人が、Dog Songsの一編を朗読している映像を見つけました!

 

 

 もう一冊、クリスマスの日に届きました。こちらの作品、届いたときは、何が来たのか?と思うほど箱が大きくてあせりました……

 

The Lost Words by Robert Macfarlane Illustrated by Jackie Morris

 

 本を注文するとき、寸法などは基本チェックしないのですが、この本の大きさには度肝を抜かれました。なんせ「商品パッケージの寸法: 27.7 x 1.5 x 37.6 cm」ですから……。著名な作家とイラストレーターがコラボレーションした、とても美しい作品。「Aは〜のA、Bは〜のB……」と続く、いわゆるABCブック(スペルブック)ですが、深い言葉と、自然をありのままに描いたイラストは、まさしく「大人の絵本」と呼ぶのにふさわしいと思います。

 タイトルの"The Lost Words"は、さまざまな言葉が時代の流れのなかで失われていく(使われなくなっていく、自然から姿を消していく)ことに、警鐘を鳴らす意味もあるようです。「失われし言葉を探して」という日本語のタイトルが頭に浮かびました。

 

 こちらも、著者自ら朗読している映像を見つけました。インタビューのようですが、「言葉」「意味」「名前」といったことに対する著者の思いが語られています。これはじっくり聞きたい!

 

 

どちらも、年末年始にゆっくり楽しみたいと思います!

 ホリデーシーズンにぴったりの読み物をと思い、読み始めたこちらの作品。なんとかクリスマスの日に読了しました。

 

Not a Creature was Purring by Krista Davis

 

 シリーズものの、最新作(第5作)で、第1作しか読んでいませんでしたが、話についていけない、ということはなかったです。むしろ、間に3作あるのか?というくらい、登場人物の関係や物語の背景に変化が見られず……

 

 こちらのシリーズは、雰囲気の良さが好きなのですが、本作もピクチャレスクな町ワグテイル(アメリカのバージニア州)のリゾートホテルを舞台に、ペット(犬&猫)が山盛り登場するという、読んでいて楽しいお話でした。主人公ホリーは、第1作で都会での仕事を辞め、ワグテイルに戻り、実家であるホテルの共同経営者(ホリーの祖母が経営しているホテル)になります。このホテルがペットに至れり尽くせりと、夢のようなホテル。ワグテイル自体、ペットで町おこしをしている、完全ペットフレンドリーな町です。

 そのクリスマスムード一色のワグテイルで、殺人事件が起こります(しかも殺されたのが宿泊客で、ホリーの叔母が容疑者にされてしまう)。ホリーが思いを寄せる幼馴染のホームズが、婚約者とその家族を連れて、ワグテイルでクリスマスを過ごすということで、ホリーも最初、やりきれない感じだったのですが、殺人事件でそれどころじゃなくなり……と、事件×人間関係×ロマンスという、これぞコージーミステリーな展開。

 コージーの割に(?)、どたばたしすぎない、落ち着いた雰囲気があるシリーズですが、今回は少々読みづらかったです。とにかく、登場人物が多い&複雑すぎる!ホームズの婚約者の家族というのが「曾祖母、その息子(祖父)、その再婚した妻(祖母)、息子の実娘(母)、その夫(父)、その娘(これが婚約者)、再婚妻の息子(父)、その妻(母)、その息子&娘」という、4世代、実・義理家族入り乱れての構成。読んでいても、こんがらがって仕方ありませんでした。さらに、ホリーやホームズの家族、ホテルの従業員、町の人たちも登場し、サイドストーリー(本筋とちゃんとつながります)も展開するし……

 

 とはいえ、こういう盛りだくさんなところがコージーミステリーの醍醐味ですし、読み応えは抜群。なにより、ホリーの愛犬トリクシーと愛猫ティンクルトゥが活躍する場面が多かったのが◎でした!

 

サンタクロース

 


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