今月も、といってももう中旬ですが、犬本に手をつけました。

 Kindleのサンプルをダウンロードしてから、しばらく放置状態だったこのミステリー。

 

Blood on the Tracks by Barbara Nickless

 

 なんだかドロドロ感漂う表紙とタイトルですが、内容も硬派&シリアスです。

 主人公は、鉄道警察官でK9ユニットのハンドラーであるシドニー・ローズ。彼女と相棒のクライド(シェパード)は、イラクで壮絶な体験をし、帰国後はPTSDに苦しんでいます。同じ鉄道警察官で、自身の育ての親でもあるニックの姪が惨殺される事件が起こり、シドニー・ローズとクライド、そしてニックも捜査に加わることに。容疑者とされているのは、殺害された姪の恋人で、イラク帰還兵の男。任務中、顔や身体に大きなやけどを負い、爛弌璽鵐鼻Ε泪鶚瓩噺討个譴討い襪海涼砲肇轡疋法次Ε蹇璽困蓮偶然にもイラクで同じ極秘作戦にかかわっていました。

 忘れたい過去と、イラクで失った恋人や仲間たちの亡霊に悩まされながら、シドニー・ローズとクライドは事件の真相に迫っていくのですが……と、読んだのは1/3ほど。想像以上に、バイオレンス色の強い内容で、完全に手が止まってしまいました。シドニー・ローズのイラクでの任務は、仲間の遺体の回収。それだけに、生々しい描写も多く、最後まで読む自信が……。文体は読みやすいですし、テンポもいいので、クライドの活躍の場面が増えれば、なんとか読み切れるかも?と思ったのですが、K9の活躍よりも、主人公の心の闇と戦争体験がテーマのようなので、それもなさそうです……。

 ちなみに、著者のプロフィールを見ると、「日本で生まれて、グアムで育った」とあるので、ご家族が軍関係?と勝手に想像しています(それなら、軍関係の描写が細かいのも頷けます)。

 

 わたしはそもそもコージーミステリーが好きで、硬派でシリアスなミステリー(スパイもの、戦争もの、ハードボイルドなど)は苦手。なので、今回は完全に手をつける作品を間違いました……。「女性K9ハンドラー」が主人公の海外ミステリー(原書)は、これまでに2シリーズ読んでいますが、K9ものにもいろいろありますね。勉強になりました。シドニー・ローズと同じ「女性で帰還兵でK9ハンドラー」が主人公の作品がもう1冊、積読リストに入っていますが、寝かしたままになりそう。

 

シェパード

花と犬

 

 去年から、アメリカの犬雑誌Barkを購読しています。最初に届いたときは、薄い雑誌だと思ったのですが、記事がとても充実していて、なかなか読み切れないほど。

 

Bark Spring 2018

 

 今月号は、なんと「戌年」記念号!紙面のいたるところに、中国や日本の「戌」にちなんだ絵画や工芸品の写真が掲載されています。さらに、日米合作のストップモーション・アニメーション映画『Isle of Dogs(犬ヶ島)』を特集。いつになく、日本色の濃い内容です!

 

(とってもシュールな、でも犬好きは泣けそうな映画。)

 

 日本人イラストレーターの木内達朗さんの作品も紹介されていました。

(アメリカでも、柴犬が人気だとか。)

http://tatsurokiuchi.com/a-shibainu-in-central-park

 

 Barkにはブックレビューのコーナーがあるのが、本好きにはたまりません。今月号で気になったのは、こちらの一冊。

 

Have Dog, Will Travel: A Poet's Journey by Stephen Kuusisto

 

 盲目の詩人による自伝。タイトルと表紙にもあるように、盲導犬の存在が、生活や行動範囲、そして創作に大きな変化や影響を与えたということが綴られているようです。

(この著者は以前にも自伝を出版していて、そちらは翻訳書が出ていました。翻訳書は『わたしは、目が見えない。』というタイトルで、出版は1999年とかなり古いです。)

 これ以上積読本を増やしても、と思いつつ、Kindleのサンプルをダウンロードしてしまいました……。

 

Snow Maiden

 

 The Snow Childを読了しました。50章以上という長さに読み切れるのか心配でしたが、読んでいくうちに先が気になって、気づいたら数日で読み切っていました。

 

 舞台は1920年代のアラスカ。子どものいない夫婦、JackとMabelは、アラスカの開拓地に移住します。Mabelはかつて死産を経験し、わが子を亡くした悲しみを乗り越えられないまま、長い年月を過ごしていました。そこで、新天地で心機一転、人生を再スタートするつもりでアラスカに移住したのですが、過酷な自然や開拓の厳しさのなかで、交わす言葉も少なくなり、夫婦の心はますます離れていきます。

 そんな重苦しい空気がただようアラスカでの生活でしたが、初雪が降ったある日、童心に返ったふたりは、Snow Childを作ります。この子は女の子だと、Snow Childに赤いミトンとマフラーを着せてやるMabel。すると、不思議なことが起こりました。森の中に、赤いミトンとマフラーをまとい、透き通るような肌と青い目をした、金髪の少女が現れたのです。少女は、おとぎ話に出てくるSnow Maiden(ゆきむすめ)のように冬の寒さを気にすることもなく、野生の生き物のようにしなやかに、風のように森の中を駆け巡ります。

 少女はFainaと名乗り、しだいにJackとMabelと一緒に過ごすようになります。ふたりは自分の娘のようにかわいがるのですが、春が来ると、雪の残る深い山奥へと、Fainaは姿を消します。悲しみとさみしさに包まれる夫婦でしたが、季節がめぐり、再び冬がやってきたとき、Fainaはまた、ふたりの元に戻ってきます……。

 

 白銀のアラスカが舞台ということもあり、幻想的な雰囲気ではあるのですが、わたしはファンタジーというよりヒューマンドラマとして読みました。Mabelの心境の変化や成長を軸に、過酷な環境で生きる人々の人生が丁寧に描かれています。また、Fainaがいったい何者なのか、どうして春になると姿を消してしまうのか、といったミステリーな部分もあります。自然描写も緻密で生き生きとしていて、とくにその野生動物の描写には心奪われました。キツネ、オコジョ、ライチョウ、グズリといった、アラスカならではの生き物たちも登場します。

 

 本作の翻訳書が見つからないので、日本で出版するとどうだろう……と考えてみました。とても美しい話ですが、それを日本語に翻訳して表現するのは難しいかなと(そのぶん、訳しがいはありそうですが)。家族や親子のあり方、生きるうえでの選択、何を大切にするかといった、根底にあるテーマはひじょうに普遍的なのですが、「アラスカの地」に日本の読者がなじめるかどうか……。ラストも、余韻を残す終わり方で、好みが分かれそうです。登場人物は少なく(ここはポイント!)、それぞれがしっかりと描きこまれています。そのなかでも、Mabelをどう訳すか、表現するかで、読者の共感、感情移入のしやすさが変わってきそうです。いろんな角度から読めるので、精読や読書会に向いている作品だと思いました。

 

(こちらの表紙も素敵です)

 

 もう一冊、洋書で読書会をやるならこれ!と思った作品があります。以前読んだ、こちらの作品です。

 

Faithful  by Alice Hoffman

(作品については、こちらの記事で書きました。)

 

 こちらも翻訳書が見当たらないのですが、日本の読者のとっつきやすさからいうと、Snow ChildよりはFaithfulかもしれません。

 今月は、仕事やらトークイベントやら、ミステリーの読書会やらで、犬本以外の本を久しぶりにまとめて読みました。積読本も(一部を残して)解消、ということで、ついつい新しい本に手が伸び……調子にのって、何冊かポチってしまいました。

 

The Snow Child  by Eowyn Ivey

 

 2013年ピューリッツァー賞フィクション部門の最終候補にもなっている作品で、以前から読みたいなと思っていたのですが、Kindleバージョンが破格の130円! 気がついたらポチってました。アラスカの厳しい自然が舞台になっていて、犬本ではないですが、動物はたくさん出てくるようです。まずはこちらから読もうかと。

 

I Could Chew on This : And Other Poems by Dogs  by Francesco Marciuliano

 

 これでもかというくらい、犬本な本です。愛犬家のみなさんなら、「なんでそこ、かじっちゃうかな」という思いをしたことは一度や二度ではないはず。うちの子が子犬のとき、買ったばかりの本とか、革のペンケースとか、もうかじられまくってました。タイトルに「犬によるポエム」とありますが、写真と詩(犬の「内なる声」だとか)がペアになった構成で、犬好き必笑、という紹介文にひかれてお取り寄せ。

 

 同じ著者の、こちらも合わせ買い。

 

You Need More Sleep: Advice from Cats by Francesco Marciuliano

 

 こっちは猫本です。わたしは人生で1匹しか猫を飼ったことがないのですが、ペットの猫の頭数がついに犬の頭数を上回り、猫人気に拍車がかかっているので、猫本も無視するわけにはいかないなと。「猫から人間へのアドバイス」ということで、単なる「かわいい猫ちゃんの写真集」を超えた、意外に深い内容?ではと期待に胸がふくらみます。

 

 と、このへんでポチッとは自粛。気になる本は山ほどありますが、ぐっと我慢です。新刊や未読の本に手を出すのもいいですが、これまでに読んだ本にも、すばらしい作品がたくさんあったので、読み返してレジュメを書く(原書なら)ことに力を入れようと思います。

 

犬と猫

(にゃんことわんこ)

パピー

(ビルバオ グッゲンハイム美術館のパピーちゃん。いつか会いに行きたい!)

 

 積読本をいつまでも積んどくわけにいかないので、仕事の合間に、寝る前に(というか、夜なべして)、少しずつ解消しています。

 とりあえず、以下を読了。翻訳ミステリーばっかりですね。
 

嘘の木

『嘘の木』(フランシス・ハーディング:著、‎児玉 敦子:訳)

 

書店猫ハムレットのうたた寝

『書店猫ハムレットのうたた寝』(アリ・ブランドン:著、越智睦:訳)

 

オリジンオリジン

『オリジン』(ダン・ブラウン:著、越前敏弥:訳)

 

 どの作品もとてもおもしろくて、どっぷり読みふけってしまいました。

 

『嘘の木』は、翻訳ミステリー大賞、翻訳大賞(二次選考対象)の両方にノミネートされている作品です。コスタ賞の大賞&児童文学部門賞を受賞した作品ということで、ファンタジーな児童文学かと思いきや、大人が読んでもじゅうぶん読み応えのある、重厚な人間ドラマでした。ミステリーとしても「この人が!?」という驚きがあり、19世紀後半のイギリスの時代背景、社会、文化といったところもしっかり描かれていて、歴史ものとしても読めると思います。こういうおもしろい翻訳書、どんどん刊行されてほしい!

 

「書店猫ハムレット」のシリーズは、シリーズ通して読んでいますが、アメリカ・ニューヨークの(都会というより、下町という雰囲気の)文化とか生活が味わえて楽しいです。キャラクターも地に足ついた感じで、コージー特有の「わやわや感(?)」が薄めで、安心して読めます。残念なことに、次巻が最終巻なんだとか……。最後まで、ハムレット(ハミー)の活躍に期待しています!

 

『オリジン』は、これぞダン・ブラウンという、壮大な舞台設定に、スピード感あふれる展開で、上下巻を一気読みでした。テーマとなるのが、テクノロジーと宗教という、まさに新・旧ふたつの世界。舞台となるスペインも、暗と明の両面を内包する国だからこそ、ストーリーに何層もの深みが出ているんでしょうね。ついつい時間を忘れて読書に没頭してしまう、「読ませてくれる」作品です。

 

 と、立て続けに「犬」が出てこない作品を読んだので、次は「犬本」かな……。

 

本棚

 

 先週末は、出版翻訳者のトークイベント、大学院時代の恩師訪問と、なかなか盛りだくさんな週末でした。これぞと思った出版翻訳がらみのイベントには、できるだけ参加するつもりでいますが、なにぶん地方住まいでは、移動時間と費用を考えるとままなりません。なので、今回のトークイベント、参加できて本当によかったです。

 

 トークイベントでは、出版翻訳の仕事をするうえで大事なこと、参考になるお話をたくさん聞くことができました。お話しいただいた先生が実践されている、調べもののやり方や姿勢には、目から鱗がボロボロ落ちました……。結構調べている気になってましたが、全然追及が足りていないと反省しきり。調べたことは、後々自分の財産になる。そう考えると、とことん調べものに向き合っていける気がします。

 

 お話のなかで、先生が「自分は何が好きなのか見つめなおす」「好きな分野・テーマをとことん追求する」「ニッチな分野・マニアな分野でも、本当におもしろければ、読んでくれる人がいる」というようなことをおっしゃっていたのですが、去年くらいから自分でも意識していることなので、なんだか背中を押していただいた気持ちになりました。先生、わたし、犬本をとことん突き詰めます!

 

 お話を聞きながら、いますぐやらなきゃいけない、と強く思ったのは、つねに売り込める原書のストックを持っておくこと。バッグにレジュメを忍ばせておいて、ここぞというときにいつでも取り出せる、そんな状態にしておくこと。そして、チャンスがあればと考えるのではなく、チャンスを作ること。こんなことは、出版翻訳者を志すうえで当たり前なんでしょうけど、できていませんでした。"Chance favors the prepared mind"という言葉もありますが、自分から動かないと、何も始まらないんですよね。

 

 と、盛り上がった勢いで、先生の訳書やら、もともと買うつもりだった本やら、一気に4冊も本を買ってしまいました(それを持って次の目的地に移動したので、地獄を見ました……キャリーバッグにしとけばよかったと激しく後悔)。読みかけの本と、図書館から借りてきたばかりの本5冊で、計10冊の本が机に積みあがっています。移動中と昨日で2冊読了したものの、あと8冊……再来週、読書会をやるので、その課題書も読み返さないと……とはいえ、本にまみれることは幸せなことです。

 

 トークイベントの翌日には、友人たちと恩師を訪問。「訳書が出たら先生に読んでいただく」ことを目標にしていたので、ひとつ夢が叶いました。

(それにしても、学校って、どういうわけか、自分が卒業した後にきれいになるもんですね……ぴかぴかの校舎を見て、なんだか複雑な気分に……)

マスティフの子犬

(マスティフの子犬。貫禄じゅうぶんです。)

 

『愛犬ジゼルとの最後の約束』を読了しました。

 毎日少しずつ読んでいましたが、もう序盤から涙目で……でも、だからといって、本を閉じようという気持ちには一度もなりませんでした。結末はわかっていても、最後まで読書のモチベーションが下がることがないのは、ノンフィクション(実話)の力だと思います。著者のローレンさんの声を聞きながら、彼女の愛犬ジゼルが生きた日々をしっかりと見届けるんだ、という熱い思いを胸に、最後の1ページまで読み進めることができました。読み切ったいまは、心洗われるというか、すがすがしさが残っています。

 

 この本のすばらしいところは、ローレンさんの語り口です。20代前半という若さがあふれる文体ですが、全体的に、一歩引いたような、冷静に過去を振り返り、自分を見つめ直しているような視線も感じられました。悲しみを受け入れて、前に進んでいこうという強さ、この体験から学び、手にした成長が文章に表れていて、読んでいるこちらも救われた気持ちになりました。

 

 我が家にも17歳のシニア犬がいるので、「その日」が近づいていることを頭では理解しながら、ときに考えないようにしながら、毎日を過ごしています。別れの悲しみから逃げることがないよう、精一杯受け止められるよう、背中を押してもらいたくて、こういうテーマの本を読んでいるのかもしれません。

 

 じんわり心が温かくなる犬本(ノンフィクション)としては、去年読んだこちらの本と同じくらいよかったです。

 

Free Days with George by Colin Campell

(感想はこちら。)

 

 残念なことに、このジョージ君、昨年末に亡くなっています。癌だったそうです。イングリッシュ・マスティフのジゼルちゃんと、ニューファンドランド・ランドシーアのジョージ君、同じ"Gentle Giant"どうし、天国で出会って友達になっているかもしれませんね。

 

「犬と人との絆」がテーマの本を何冊かピックアップしているので、近いうちに読みたいと思います。

 

アティカス

 

『アティカス、冒険と人生をくれた犬』

トム ライアン:著 金原 瑞人、井上 里:訳

 

 一昨年くらいだったか、この本の原書を読み始めて、読み切れずに放置していたのでした。

 表紙のアティカス君(ミニチュア・シュナウザー)と、北米の冬山をチャリティ登山(なんと147峰!)する著者の実話です。厳しい自然の描写にやられてしまい、どうしても最後まで読めず……だったのですが、なんとこの作品が金原瑞人先生の訳で読めるとは! 

『おやすみ、リリー』も越前敏弥先生の訳で読めたし、気になっている犬本が翻訳書で出版されるというのが続いていて、とてもうれしいです。

 

◆Finding Gobi: The True Story of a Little Dog and an Incredible Journey 

by Dion Leonard

 

 こちらは、テレビや新聞記事でも取り上げられていた、砂漠のレース犬「ゴビ」の本です。

 日経新聞電子版の記事→NIKKEI STYLE

 こちらも、翻訳書が出るのではないかと楽しみにしています!(記事にもありましたが、今年は「戌年」ですから!)

救助犬

 

 先月末から読んでいた、探索救助犬ものミステリーのThe Darkest Thread(by Jen Blood)を読了しました。

 行方不明のふたりの少女を探すよう依頼された女性ハンドラーが、相棒のファントム(犬)、息子のベアらとともに捜索をするなかで、過去の行方不明事件やFBIのスキャンダルが明らかになっていく、というストーリーでした。

 

 舞台となるのはアメリカ・バーモント州の山間部。そこには、社会とはほとんどかかわりをもたず、自給自足のような生活をしている大家族(行方不明の少女は、その家長の娘)が住んでいます。この家族のひとりが、元FBIエージェントで、過去に自分の妹を含め何人もの女性を殺した犯人として収監されている人物(本人は無実を主張)。主人公に捜索を依頼してきたFBIエージェントのジャック(ジェイミーとのロマンスの雰囲気もあり)のかつてのメンターでもありました。その人物を、刑務所から無理やり連れだして、捜査に協力させるという荒業?も使いますが、なかなか行方不明事件の捜査は進みません。

 ほかにも、大家族メンバーにあやしい人物がいたり(というか全員あやしい)、FBIエージェント同士のいざこざがあったり、ジェイミーの過去がからんできたり、ベアが大家族によって人質に取られたり(ジェイミーに「必死に」捜索させるため、ということなのですが……無理がある?)と、やや盛り込みすぎな感もありました。

 

 そういう複雑さもあり、前半はなかなか読書エンジンがかからなかったのですが、捜索の場面の描写や、ジェイミーの奮闘する姿にひきこまれて、後半はギアチェンジで一気読みでした。主人公とその息子の特殊能力(ゴーストの声が聞こえる&姿が見える)がストーリーのアクセントになっているのですが、そこが弱かったのが残念な気もします。もうちょっと、ぞくっとさせてくれてもよかったのかな?と。まあ、あまりスーパーナチュラルな部分を強調してしまうと、陳腐になってしまうんでしょうけど。

 

 犬たちの活躍はしっかりと描かれていましたが、できれば、ファントムたち探索犬のことをもっと書いてほしかった! 同じK9翻訳ミステリーのキャラクター、ロバート・クレイスの「マギー」とか、個人的に「推し犬ものミステリー」でもあるマーガレット・ミズシマの「K9ユニットシリーズ」に出てくる「ロボ」には負けるかな……という印象でした。

 

 2月最初の犬本として、次はこちらの翻訳書を読み始めました。

 

愛犬ジゼルとの最後の約束

『愛犬ジゼルとの最後の約束』

ローレン・ファーン・ワット:著 三橋智子:訳

 

 100パーセント犬本です。もう、タイトルからして犬好きは泣けてきそうな本ですね。こういう(「愛犬との最期の日々」といった)テーマの本は「お涙頂戴でどうも……」という読者もいるでしょうけど、わたしは「泣くことも含めた感動体験」をしたくて手に取ってしまいます。読書もひとつの体験ですし、本を買うというのは体験を買うことでもあるのかなと(「モノを買うんじゃなくて、体験を買うんだ」なんて、いま流行りのフレーズみたいですが)。だから、たっぷりじっくり体験したいと思います!

馬

(馬?ポニー? チェックのコートがおしゃれです)

 

 最近あまり聴けていないNPR(National Pubric Radio)ですが、久しぶりにサイトをチェックすると、2017年のNPR's Book Concierge(2017年のおすすめ本ガイド)が発表されていました。

 サイトはこちら→NPR's Book Concierge

 

 このBook Concierge、本(洋書)のジャケットがずらっと並んでいて、眺めるだけでも楽しい! ジャケットから内容が連想できる本もあれば、意外な本もあり(カーソルを本の上に持っていくと、概要が読めます)、本との出会いにぴったりなサイトです。

 2017年のリストには、何冊か既読の本が入っていました。

 

 Wishtree by Katharine Applegate

 ◆Not A Sound by Heather Gudenkauf

 The Dry by Jane Harper

 

 リストの左側にあるフィルターで、ジャンルやテーマを絞り込んでいくことができるので、とても便利ですね!

 ざっと見たなかでは、こちらの本(ノンフィクション)が妙に気になりました。

 

The Secret Lives of Colour by Kassia St Clair

 

 いわゆる「色」についての本ですね。75色のさまざまな色(Orpiment, Mountbatten pink, Dragon's blood, Mummy……名前を見ただけでも興味が沸きます)の紹介、色がなぜ人間の目に見えるのか、色の歴史、芸術家と色の関係など、さまざまな角度から「色」について語った本のようです。

 犬の服を作ったり、バンドを織ったりするときは色の組み合わせが気になるし、ただいろんな色を眺めているだけでも楽しいので、手元に何冊か「色の本」を置いています。

 これとか。

 

かさねの色目

『かさねの色目 : 平安の配彩美』

 長崎 盛輝:著

 

「かさね」というタイトル通り、日本古来の色の組み合わせや重ね方(十二単など、衣の色をどう重ねるか)が紹介されています。「紅梅」「朽葉」「蘇芳」といった各色の名前だけでなく、その色を重ねたときの名前(「雪の下」「山吹の匂」「花橘」)も響きがとても美しく、平安時代の雅さが伝わってきます。

 

 こちらは色ではなく「格子模様」の本ですが、手に入れたい本の一冊。

 

のしめ

『のしめ《熨斗目》江戸時代の縞・格子・絣事典』

 吉岡 幸雄:著

 

 図書館で借りたことがあり、それ以来気になっている本。時代劇なんかで、すごい(?)柄や色の着物を目にしたとき「いくらなんでも……」と思ったりしていたのですが、この本を見ると、思いのほか派手というか、モダンな柄が江戸時代にもあったんだということがわかります。ふつうに、現代のシャツの柄にできそうなチェックが満載で、目にも楽しい一冊。この本に載っている模様をバンド織りで再現できたら楽しいだろうな!(ストライプはできそうですが、チェックをインクルルームで織るのはちょっと面倒だったりするのですが)。

 先週末、東京で開かれた「ペット栄養管理士養成講習会」を受講しました。

 2日間、朝から夕方までみっちり講義で、途中睡魔にも襲われつつも(先生すみません……乗り物酔いの薬のせいです)、なんとか完走。

 

 この講習会を受けたのは、「犬や動物がテーマの本を翻訳したい」「出版翻訳の仕事をするうえで、専門分野を持ちたい」という目標があって、それなら犬やペットのことについて、もっとちゃんと勉強しようと考えたからでした。Courseraの犬・ペット関係のコースを取ったりはしていますが、やっぱり日本語で勉強しておきたいというのもありました。

 ペットの資格をリサーチすると、いろいろ出てきますが、どれもピンとこない……というときに、ペット関連の仕事をしている妹から勧められたのが(自分が参加したいけど、仕事休めないから代わりに行ってきて!と)、「ペット栄養管理士」でした。

 

 その名の通り、「ペットの栄養」がテーマの資格です。「ペット栄養学会」という、獣医さんや獣医学科を有する大学の先生、動物学の専門家などで構成されている、由緒正しき学術団体が主催する資格で、2日間の講習会を3つ受講して、やっと受験資格(資格じゃなくて、「受験」資格)がいただけるという、かなり本格的な資格(しかも、講習会の会場は東京のみという、地方者泣かせ……)。

 

 実際に講習会に参加してみて、ペットの栄養学がご専門の著名な先生方から直接お話が聞けて、とても勉強になりました。普段食べさせているペットフードの材料や添加物のこと、肥満のこと、歯の健康のこと……講義を受けただけではなかなか消化しきれない内容だったので、これからテキストをみながら少しずつ復習します。

 個人的にうれしかったのが、「うさぎ」についての講義があったこと。むかしうさぎを飼っていたときに知ってたらよかったなぁと思う情報が満載でした。うちの子は、近所のお祭りで売られてたミニうさぎで、12歳くらいまで長生きしてくれました(大昔は、うさぎやひよこをお祭りで売ってたんですよね……)が、先生のお話を聞くと、エサとかいろいろ、うさぎの生態に合わないことをやってたんだなと、いまさらながら反省しました(ごめんね、ウタコちゃん)。

 

 印象に残ったのは「口から取る栄養の大事さ」でしょうか。病気になったりして食事ができなくなった犬や猫に、カテーテルや点滴で栄養を与えることはできるけど、やっぱり栄養は口から取らなきゃだめだってことですね。強制的に栄養を体に入れるんじゃなくて、噛んで、飲み込んで、胃で消化して、腸で吸収して、っていう、このプロセスが生きるってことなんだと、あらためて感じました(術後の回復にも「食事」が重要、というお話もありました)。

 

 勉強して、何がよくて何がよくないかを頭で理解したからといって、なかなかすべてをあらためることはできませんが(そうすべきなんでしょうけど)、できるだけ意識して、改善できるところはしながら、わんこ&かめ(かめの講義はなかった……)たちと暮らしていければいいのかなと。

 そして、学んだことをいつか出版翻訳で活かすために、知識は知識としてしっかり身に着けたいと思います!

 

 日本ペット栄養学会

(「出版翻訳」を理由にこの講習会を受ける人なんて、そうそういないだろうな……と思いつつ、田舎からえっちら東京まで出張ってきました!)


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